お雑煮としてはかなり豪華な部類だと思う実家のお雑煮( 広島 )

雑感

みなさま、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

今回は異例の料理特集!

母が毎年作ってくれていたお雑煮のご紹介です。

少し手間はかかりますが具沢山のお雑煮で、子どもの頃から「よそのお家とはちょっと違うなぁ」と思っていました。

母はアメリカ生まれの広島育ちで、呉に嫁いではきましたが、婚家の味を踏襲している気配はありませんでした。アメリカ生まれといっても両親はともに日本人で、父親がアメリカでホテル業を営んでいたせいもあり、3歳で日本に戻ってはきましたが、どこかステーキとかバターが好きな感じが生活の根底にありました。もちろん物心ついた頃から戦前の日本の女子教育を受けていたので和裁や和食の作り方は一通りマスターしていました。それでもやはり何かしらアメリカナイズドされた感じを好む傾向があったように思います。

そんな母が作ってくれていたお雑煮です。

広島ならではの具沢山なお雑煮

材料(4人分)

  • 鶏ガラ(2~3パック)

  • ブリ切り身(2~3切れ)※写真は多めに用意しています
  • 鶏モモ肉(150~180g程度)※同上
  • 牡蠣(1パック)

  • 水菜(1把)
  • 金時人参(5~6㎝程度)

  • しょう油
  • もち(1人2~3個×人数分)

鶏ガラスープの作り方

1.鶏ガラは水洗いして血糊など汚れを落とします

2.湯通しするので洗った鶏ガラを順次水を張った鍋に投入します(水の量は鍋の半分くらい)

3.全部投入後、湯が沸騰したら火を止めます

4.ざるに揚げて湯を切り(火傷注意)、新たに水を張った鍋に戻します

5.ここから2~2.5時間、煮込んでいきます(最初中火→あとは弱火、煮過ぎるとスープが白濁します)

6.途中出てきたアク(最初の頃は特に)はすくってください

以上でスープの出来上がりです。エアコンの効いていない部屋に置いておけば数日は日持ちします。

注意:こちらの鶏がらスープは、鶏ガラ自体のピュアな味を引き出すため、生姜やニンニク、白ネギなどの香味野菜は加えません。中華風になってしまいます。

塩ぶりの作り方

塩ぶりはブリの切り身にたっぷり塩をすり込んでおきます。皮や身の厚み部分にもまんべんなく

出てきた水気はキッチンペーパーで拭き取り、丸一日は冷蔵庫で寝かせておきます。塩分が強いので冷蔵庫で2~3日は余裕でもちます。(写真はすでに作り置きしたしたものなので身の色が変わっています)

材料の切り方

  • 塩ぶりは一口大にカットしましょう

  • 鶏モモ肉も一口大に(今回はすでにカットされたものを購入しました)
  • 水菜は3~4㎝程度のざく切り

  • 人参は太めの千切りに

※金時人参の「赤」が大事で、西洋人参のオレンジ色ではお節やお雑煮の雰囲気にマッチしません

  • 牡蠣は塩水で軽く洗って水切りしておきます

雑煮作り開始

1.鶏ガラスープを1人250ccとして4人分なら1000ccくらいを鍋にとります

2.沸騰したら火が通りにくい人参から投入していきます

3.次は鶏肉

4.次は塩ぶり

5.この段階で別鍋で「もち」の準備を始めてください(忘れると後で焦ります)
  湯が沸いてからもちを入れてください
※もちは焼かずに茹でて使います(今回は切り餅を使いましたがいつもは丸餅です)

6.しばらくすると雑煮の具材からアクが浮いてきますので丁寧にすくってください

7.次にしょう油でスープの「色の濃さ」を決めていきます(←ここ大事)
※吸い物よりは濃く、おでんの出汁くらいの濃さですが、色が薄いと具材の多さに負けてしまうのである程度しょう油の色(濃さ)は必要です。

8.今度は水菜を投入しましょう

9.一煮立ちしたら牡蠣を入れます

10.ここで「塩加減」の最終調整です
※塩ぶりや牡蠣から塩分が出ているので小さじ1~1.5杯程度の塩を味見しながら足していきます
※しょう油の色も薄いようなら足してください

11.出来上がりました~

12.お丼に柔らかく煮えたもちを入れてから、具材と汁をたっぷりよそって完成です
※この雑煮には椀より丼(どんぶり)が似合います。具材が多いのでお椀では入り切りません

熱々ですよ~(写真では湯気が見えませんが)

食後の感想

いやー、抜群に美味しかったです!亡き母に負けていませんでした(と思う)。

ただ、写真を撮りながら作ったので水菜に火が通り過ぎたかもしれません。

もう少しシャキッとした方がお好みの場合は、早めに牡蠣を投入するか、水菜は最後に投入するかしてください。

おわりに

新年早々、私としては異例の料理特集となりましたが、ひょっとしたら広島でも珍しい雑煮かもしれないと思いアップしました。

牡蠣を使ったお雑煮は多いでしょいうが(特に広島では)、鶏ガラスープとの組み合わせは少ないのではないでしょうか

気取ったところのない庶民的な味わいですが、具材の取り合わせが豪華ですし、水菜の青と金時人参の赤とのコントラストも鮮やかです。ぷっくり浮かび上がる牡蠣の白い腹も美しい。塩ぶりの塩味も効いています。

ぜひ皆様もいつかお試しください。

きっとご満足いただけると思います。