こんにちは。大人のおしゃれ塾、田中です。
塾の再開にあたり、ファッション雑誌の年間購読を検討しているのですが、買いたいものが見つかりません。
ファッション雑誌の冬の時代、ますます深刻さが増しているような。。。
私が今まで購読していたファッション雑誌
短大の専任教員をしている頃は、ヴォーグ(VOGUE JAPAN)とエル(ELLE)、装苑(so-en)を購読していました。
ファッショ雑誌ではありませんが、「繊研新聞」や「ファッション販売」という専門紙もファッションビジネスを教えている時代は購読していました。
先月、書店に行った際に、懐かしのヴォーグとエルを手に取ってみましたが、広告が激減しているせいか冊子がずいぶん薄くなっています。
それでも海外のセレブ情報や、前衛的なファッションフォト(写真)は今まで通りで、変わらぬコンテンツに「今でもこうなのか」と、自分が変わったのか時代が変わったのか、それらが古めかしく感じられました。
アバンギャルドなファッション表現に目新しさが感じられていた時代は、今思えば古き良き時代、ファッションに勢いがあった時代だからこそかもしれません(遠い目)。
繊研新聞やファッション販売などの業界紙も、今ではTwitterやネットで調べれば情報は簡単に得られます。
月刊ファッション販売に至っては、まだ出版されているのかと驚いたくらいです。
誤解を招いてはいけませんが、販売職を貶(おとし)める気持ちは爪の先ほどもありません。
販売職は商品知識はもちろん、スタイリストやアドバイザーとしての知見や人柄、ホスピタリティ(おもてなしの心)まで問われる専門的な仕事です。かたや売り上げ目標や、売り場・スタッフの管理育成など幅広い専門性が求められます。
そのようなプロフェッショナルが活躍できる「場」が激減していることへの嘆きから出た感想です。
生き残っている大人女子向けファッション雑誌
大人の女性向け月刊ファッション雑誌として、今書店に並んでいるのは、宝島社インレッド(InRed )、小学館オッジ(Oggi)、光文社ストーリー(STORY)、小学館プレシャス(Precious)、集英社エクラ(éclat)といったところでしょうか。
それぞれがターゲットとする購読者層は、インレッド、オッジが30代~、ストーリーとプレシャスが40代~、エクラが50代~。
雑誌に登場するモデルは雑誌の「顔」でありイメージキャラクターです。彼女たちが着用することによって、雑誌「推し」のスタイリングがより確実に読者に伝わります。
この分かりやすさはイメージの定型化(ステロタイプ化)に他なりません。
雑誌「推し」のアイテムを着用することで、なりたい自分に近づくことができます。モデルは日本人です。
ところがジゼル(GISELe)という主婦の友社発行の雑誌は、モデルが全員欧米の外国人で、類型化してとらえにくい特徴があります。
彼女たちは日本人の私たちから見て、ヘアスタイルも個性的で、生活感がないというか年齢不詳というか「ファッションは人それぞれ」といった感じがします。
なので、これは若い人のファッションだとか、良家の奥様ふうだとか、フィルターをかけずにダイレクトに服や着こなしを見ることができます。
類型化されたファッション雑誌では、中高年になると個性の方が勝(まさ)ってくるので、自分との距離感が増すのですね。
そんなわけで先月はジゼルの12月号を買いました。
結構気に入ったので年間購読を申し込もうと思ったのですが、ここは「急いては事を仕損じる」次の号も見てから決めることにしました。
残念だったジゼル1/2月合併号
11月28日発売の1月号は2月号との合併号となっていて、楽しみに書店に行ったのですが。。。
撃沈です!
明日につながる「スタイリング・ストック」というタイトルが付いていますが、誌面は小さい写真の寄せ集め状態。
何が言いたいのかさっぱり響きません。
ハッキリ言ってユニクロやGUの「投稿スタイリングStyleHint」と大差ないです。
12月号はまだ大きな写真が多く、訴えたいことが伝わってきました。
年間購読はひとまず見送り。
もっと細かく小さな写真を読み解いていかなければこの雑誌の良さが分からないのかなぁ。
ジゼルのファンの方ごめんなさいね。もう一度、次の3月号を見て考えます。
それにしても、ここまで購入者のスタイリング投稿があふれる時代になると、ファッション雑誌のスタイリング提案の力、発信力はますます低下していきます。
広告主も購読者が減少の一途をたどる雑誌よりは、チャンネル登録者やフォロワーが多いYouTubeやSNSの方に注力せざるを得ないでしょう。
ファッション雑誌冬の時代
そういえば、ハースト婦人画報社が発行するメンズファッション誌メンズクラブ(MEN’S CLUB)が、来年の春号をもって年10回発行から4回になるそうです。
装苑もそうでしたし、ナチュリラも同じ流れです。
リニューアルしたナチュリラ春夏号はなかなか良かったのですが、秋冬号は内容が薄く購入に至りませんでした。
ファッション雑誌という存在そのものが終わりに近いのですかね。
プリクラ(プリント倶楽部)が10~20年くらい前、女子高校生を中心に流行りましたが、今ではスマホやアプリでの加工が自在に出来るようになり、市場規模もどんどん縮小し、全盛期には1000億円あったものが、近年では200億円ほどになっているそうです。
こんなふうにファッション雑誌の衰退も加速していくのではないでしょうか。
広告もつかず、冊子が見た目も中身も薄くなった挙句に休刊(実質の廃刊)という寂しい終わり方はしてほしくない気がします。
そういう意味では婦人総合誌「ミセス」(文化出版局)の終わり方は美しかった!
今生き残っているファッション雑誌も、いよいよの時が来るとしたら有終の美を飾ってほしいです。
追記
ジゼル1・2月合併号を酷評した私ですが、3月号を見た結果、、、