宝島社のベストセラー『60歳すぎたらやめて幸せになれる100のこと』から得られる安心感

雑誌

こんにちは。大人のおしゃれ塾、田中です。

先日、近所の本屋で購入した『60歳すぎたらやめて幸せになれる100のこと』

発行元の宝島出版社によると、昨年11月28日の発売以来・・・

50代から70代を中心に評判を呼び、版を重ねて累計44万部を超える大ヒットとなっているそうです。

そう聞いて「どんな内容なのだろう」と購入してみたのですが、その内容は驚くほど潔さ(いさぎよさ)に満ちていました。

購入者の世代特徴

本のタイトルからして「60歳すぎ」の世代がターゲットとなっていることは明らかですが、ページのあちこちに「人生のエンディングに向けて」や「人生の最終章を生きる」などのフレーズが出てきます。

50~60歳ではまだ「人生のエンディング」が迫っている感じはないかもしれませんから、ここはやはり70代前後、いわゆる団塊の世代以上がメインターゲットとなっているのではないでしょうか。

この世代は、人口が多く、競争の激しい環境で進学や就職を経験してきたため、我慢したり、頑張りすぎてしまう傾向があるといわれています。

「頑張ることは善」と多くの人が信じ、辛いことも悲しいことも「乗り越えていかなければ」と、自分を励まし奮い立たせてきたことも一度や二度ではないでしょう。

そんなに頑張らなくても何とかなったのかもしれませんが、それは今となっては分からないことです。

人生を頑張ってきた人ほど、今までの「しがらみ」が重く感じられるのかもしれません。

本書では、そんな頑張り世代に向けて、「一度、余分なものを手放してみませんか。」と「やめて幸せになれる」方法を紹介しています。

「頑張りすぎてしまう親に読んでほしい」と子どもが親へプレゼントするケースも増えているそうです。

こんなに楽になった「やめる」「捨てる」100のリスト

100のリストは「付き合い」編から始まります。

これまでの人生で手にした多くのもの、人との縁などを9つの領域に分けて、がんじがらめになった考え方、習慣の見直しを提案しています。

9つの領域とは・・・

  1. 付き合い
  2. 健康
  3. 家族
  4. お金
  5. 暮し
  6. 見栄
  7. 家事
  8. 台所仕事
  9. 準備(エンディング)

私はこのうち、5~8の「暮し」「見栄」「家事」「台所仕事」に関しては、すでにモノがなさすぎるくらい質素な暮らしをしているので(笑)、特段、目からウロコ的なものはなかったですが、2の「健康」に関しては胸に刺さるフレーズがありました。

人間ドックや定期健診で体の粗探し(あらさがし)をしてどうする?

そうなんです(涙)

私は昨年の春に上行大動脈の手術を受けたため、今でも定期的に検査を受けています。

毎日、朝夕、血圧を測り、体重も記録しています。

今飲んでいる薬になるまでは、毎日不調で眠れず、血圧も測るのが怖くてたまりませんでした。

血圧を測らなくてはと思うだけで上がるのです。

私の場合は医師の指示通りの生活を送る必要がありますが、そうでない人ならば・・・

数値の粗探しをして、ちょっと異常値が出れば薬をのみ始めて、自分は病気なんだと実感していく、ということに疑問を感じている人も少なくないのです。

というのですね。

こんなふうに不安になることをわざわざ自分からせず、人生は明るく楽しく!というのは如何にもポジティブで良いのかもしれません。

ですが、ここまで言い切って大丈夫でしょうか?

そもそも誰の意見、考えなのでしょう?

「やめる」「捨てる」の具体策やアイデアを提供した人たち

なにごとも物事には賛否両論があるのが世の常です。

それを分かったうえでの「執着の手放し方」だと思うのですが、100のリストのそれぞれの項目には、「ライフオーガナイザーの〇〇さんはこう振り返ります」とか「自営業〇〇さんは」とか、誰の意見、考えなのかが示されています。

先ほどの9つの領域に関する専門家が22名、名を連ねています。

その他「68歳:主婦」など、インタビューによって得られた証言も随所にちりばめられています。

全部で何人登場しているのか、数えてはいませんが、膨大な時間をかけて聞き取りが行われたことは確かでしょう。

「安心材料を集める」という方向性は明確ですから、その意味では編集はしやすかったかもしれません。

宝島出版社によると、読者からは「気持ちが軽くなった」「背中を押された」「無理しなくていいんだなとホッとした」など、多くの反響が寄せられているそうです。

100のうち少しでも共感するものがあれば、勇気をもって手放してみてください。
余分なものが詰まったリュックの中から、ひとつひとつものが減っていくように、すっきりと軽やかな気分になれるでしょう。

頑張ってきた人たち、頑張りすぎる人たちに向けて、プロのアドバイスや、すでに実行している人たちの具体策が、心や暮らしを楽にする方向で役に立つと良いですね。

おわりに

読みやすい言葉で書かれた本書、あっという間に読み終わりました。

最後の方には、いちばん厄介な感情「怒り」との付き合い方に関して、『捨て方11の教え』というページが付いています。

愛知県にある福厳寺の和尚様が書かれていました。

怒りとは「私」の欲が満たされず「私の願いが叶わない」と生まれるそうです。

「私はこうあるべき、という思いを捨てると自由に生きられる」ともありました。

そういう意味でも、100のリストの51番目にあった「ストレスのもとになる仕事はいつまでもやらない」というのもアリかもしれません。

自分の老後の張り合いのために、若い人たちの活躍の場を奪うのは如何なものかとも思います。

そんなこんなを考えながら後日(2022年6月7日)本屋に行ったら・・・

なんと宝島出版社から『60歳からはじめて人生が楽しくなる100のこと』が発売されているではありませんか!!

パラパラッと内容を見てみましたが、『60歳すぎたらやめて幸せになれる100のこと』の真逆とまでは言いませんが、結構「やってみましょう!系」です。

なんだか裏切られた感じがしました。

せっかく『60歳すぎたらやめて幸せになれる100のこと』で安心感が得られたのに、この気持ち、どこへ持って行きましょうかね。

「怒り」は手放さないといけません(笑)