こんにちは。大人のおしゃれ塾、田中です。
このところ毎日寒いですね。昨日は昼間も雪でした。
窓から見える木にも雪が降り積もっています。
こんな日は外歩きもできませんから、食品の買い出しを兼ねて本屋に行きました。フジグラン高陽には廣文館も入っているのです。
購入したのは『ナチュリラ冬号』です。
これまで『ナチュリラ』は購入したことがなかったのですが、手に取って見ると今回はページに色があふれていて、久々にワクワクする感じがしました。
今までのベーシックで「ゆるやかな」テイストが薄まっていて、冒険心というか、おしゃれ心が弾んでいます。
タイトルからして「吹き飛ばせ!おしゃれのマンネリ」ですからね!
企画・編集にも力がはいってるなぁ・・・と感心しながら読んでいましたが、最終ページになって思わず息が止まりました。
今年度から年4回の発行が2回になるとのこと。
2007年の創刊から14年。この冬号(2021年12月20日発行vol.56)が季刊の最後となるらしいのです。
主婦と生活社『ナチュリラ』からのご挨拶文「リニューアルのお知らせ」には次のように記されていました。
~来年、節目となる15年目を迎えるにあたり より充実した内容をお届けするには……?と、コロナ禍で変わった環境やライフスタイルに合わせ 発行形態を春と秋の2回に変更し 新たなスタートを切ることにいたしました~
『ナチュリラ』の定期購読者でもなかった私が言うのもおこがましいですが、やはりこういう話は寂しいですね。
文化出版局発行の『ミセス』が休刊(実質廃刊)になった時も同じような思いをしました。
『ミセス』の創刊はなんと1961年で、60年の歴史があるそうです。
最終号の2021年4月号は、これまで『ミセス』の表紙を飾った女性たちの特集が組まれていました。
60’s、70’sはもちろん、2000–’21までの各号の表紙や、選りすぐりの写真が掲載されています。ファッション、ヘアメイクの変遷を物語る一級品の資料ともいえます。
2021日3月5日の発売でしたが、もちろん購入して夢中になって読みました。
ファッションだけでなく、料理やインテリア、季節のあしらい、暮らしにまつわる様々な記事が、美しい写真とともに展開されています。
編集後記には、担当者がそれぞれの思いを述べていて、読んでいて泣けました。
この『ミセス』最終号について、あるファッションブロガーさんが「今まで買ったことはなかったけれど、自分が買わなくても仕方ない、やっぱり『ミセス』は既婚者向けなんですね」といった内容のことを述べていました。
どんな感想を持つかは人それぞれ自由ですが、『ミセス』が『家庭画報』のように家庭生活を中心とした雑誌であることは誌名からも明らかです。
初代の今井田勲編集長は「戦後の貧しさからようやく立ち直りつつあった日本で、従来の家庭婦人誌に飽き足らず、もっと芸術的な香気に満ち、静かな雰囲気の中で自分自身を見つめ、しかも実用性の高い雑誌」「品性のよさ」を、と日夜、思索を重ねたそうです。
既婚か未婚かで女性を区別することについては考える必要はありますが、雑誌『ミセス』がめざした「毎日の暮らしに美しさ、心地よさ、豊かさを品格にこだわった上質な内容で女性たちに届ける」という姿勢は一貫していたのではないでしょうか。
だからこそ逆説的ではありますが、女性が家庭にとどまらず社会で働くようになった時代、大量生産、大量消費から逃れにくい現代では生き残りにくかったとも言えます。
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