大人のおしゃれ塾、田中です。
広島市現代美術館で上映中の「処女航海」(約8分)という動画作品を鑑賞しました。
作者はローザ・ヌスバウムという
ドイツの若手作家さんです。
大学院修了時の作品らしいですが、まず、大胆なポーズに度肝を抜かれます。
8分間、ずっとこのスタイルで、弦をつま弾いたり、弓を引いたり、足先で水をコントロールしながら、水面を漂う。漂う。漂う。
解説文には「バイオリン型のボート」とありますが、私はチェロではないかと思うのですが、如何でしょう。
両腕で抱える形はチェロの奏法そのものではないかと。
いずれにしても弦楽器と女性の身体との符号は、私の大好きなレベッカ・ホルンの作品にも見られます。
レベッカ・ホルンは1944年生まれのドイツのアーティストです。
彫刻、ドローイング、映画、インスタレーション、など様々な分野で、独自の知的で優雅、しかも反逆的な世界を展開しています。
私は、2009年に、東京都現代美術館ではじめて彼女の作品を知り、大変な衝撃、感銘を受けました。
誌的でありながら過激。しかも洗練されている。
映画作品は場面、情景の設定が現実離れしていて、コミカルでもある。
どの作品も狙ってはいるが「あざとさ」がない。
もう一度日本で個展をしてください!!
こちらは1992年の作品「恋人たちの部屋」です。
バイオリンが女性ですね。
次も同じく、レベッカ・ホルンの1978年の作品「柔らかい囚われ人」ですが、おわかりいただけますでしょうか。
人体が装置としてのコスチュームに組み込まれています。
先程のヌスバウムの作品も、チェロ(バイオリン)という装置に人体が組み込まれていました。
人体と、装置としてのコスチューム(衣装)の関係性、世の中には様々なアートがありますが、
この種の、ちょっと笑いを誘うような「装置もの」、私は好きです。