言われないとわからない?しまむらのAIモデルの完成度の高さ。

ファッション

こんにちは。大人のおしゃれ塾、田中です。

いやー、これは年寄りあるあるかもしれませんが、最近、若い人の顔が判別しづらくなってきました。

特におしゃれな学生ほどパッと見、同じに見えてしまいます。流行とは恐ろしいもので、ヘアメイクが完全にステロタイプ化していて、今時の「かわいい」が見事に体現されています。

そんな状況下ですから、しまむらがAIモデルを採用したと聞いても、まったく違和感はありませんでした。実物でも私には十分クリーチャー(人工物)に見えたりするので(笑)、雑誌にしろ広告にしろAIモデルでコストダウンが図れるのなら、それに越したことはないでしょう。

実際、生身のタレントやモデルだと、体調不良や天候の急変など様々なアクシデントが起こります。もちろん撮影には、ディレクターやスタイリスト、ヘアメイク、カメラマン、ライティングも必要で、その経費もかなりのもの。モデルが有名どころだとスキャンダルが起こったりすると大変です。

良いことずくめのような気がしますが、しまむらでは今のところ、AIモデルの採用はインスタグラムにとどめているようです。

インスタに登場するAIモデルの名前は瑠菜(るな)

よく出来ていると思われませんか?

着せ替えも自由自在で、シチュエーション(場面、背景)の変更もササっと(たぶん笑)できるのではないでしょうか。

こんなに便利なAIモデルですから、新聞の折り込みチラシでの登場を「今か今か」と楽しみにしているのですが、そのチラシがなぜか入らなくなりました。(東京の下高井戸店ではポスターやチラシには起用されているそうですが)

確かしまむらの創業者が亡くなられてからです。7月のことでしたかね。それまでは毎週金曜日に、ユニクロとしまむらのチラシが入っていました。今はユニクロだけです。

はやく、瑠菜だけでなく、他の年齢層(ターゲット)にむけたAIモデルもチラシやオンラインストアで見てみたいものです。

ともあれ、このAIモデルですが、しまむらは、タキヒヨーAImodelの協業によるAIモデルサービスを利用しているのだそうです。タキヒヨーは1751年創業の繊維商社、AI modelは2020年創業の新進企業です。

AI modelとはどんな企業だろう?と知らなかったのでググってみたら、、、出てきましたね。2024.03.22付けの【Fashion Tech News】、同社のCTO(技術部門のトップ)を務める中山佑樹氏の記事が。
日本発の「AIモデル」は、アパレル企業のDXをどのように支援するのか

この記事はインタビュー形式になっていて「はじめに、御社がAI技術でAIモデル・タレントを生成してDX(デジタル技術を活用した変革)を支援する取り組みを始めた経緯について教えてください。」という質問に対して、中山氏は次のように述べています。

コロナが始まる少し前から、アパレルECの売り上げが非常に上がってきましたが、EC化が一気に進んだことで、一つの課題が生まれました。いわゆる「ささげ業務」(ECサイトにおける撮影、採寸、原稿などの商品情報制作)が非常に労働集約的な現場になってしまったんです。

確かにネット上にあふれる衣料品の撮影や採寸、原稿作成は大変な作業です。

平置きした商品写真よりモデルの着画の方が売り上げアップしますから、モデルを活用した撮影にコストを割けないブランドにとってはこのサービスはまさに救世主。

同社の代表(CEO)谷口大季氏は、大手アパレル企業をクライアントとして、ウェブサイトやECサイトの構築、LookBookやカタログの制作などを手掛けてきた人物のようです。

中村氏はこのインタビューの最後を次のような言葉で締めくくっています。

今後もアパレル業界のDX化を進めて、売り上げを伸ばしたり、コストを下げたり、業界に関わっている方の助けになるサービスを展開していきたいです。

さらに、AIモデルに人格を持たせるなど、生成AIにはまだまだ可能性があります。将来的には、アパレル業界はもちろん、もっと広範囲の人々の課題を解決する事業を展開できたら、非常に面白いと考えています。

イメージキャラクターとしての生身のタレントの訴求力は大きいでしょうが(特にCM)、カタログやチラシ、オンラインショップであれば、着た感じがつかめれば十分ではないでしょうか。

そういう用途でのAIモデルの活用がこれからも進んでいけばいいなと私は思うのですが、みなさんはいかがですか?