こんにちは。大人のおしゃれ塾、田中です。
私の住む高陽ニュータウンでは、近年とみに高齢化が進み、出会う人の大半がシニア世代、という状況になりました。
スーパーで目にするご婦人方は、たいてい地味色のアウターに、くるぶし丈のパンツ。靴はミセス向けのペタンコ(フラット)シューズ、もしくは量販店向けのスニーカー、といった感じです。
公民館に行っても状況は似たようなもので、このような地味色ファッションは周囲から浮かない迷彩服というか、保護色的役割りが強いように思われます。
守りの地味色から脱却
要は「ラク」というか安心なのでしょうね、身も心も。
この気持ちは私にもよくわかります。
仕事で教壇に立つときは相応の格好をしますが、公民館に行くときは「ほどほど」にしている自分がいます。周囲との間に垣根を作りたくないという気持ちが働いているのでしょう。
でも最近、思うのです。それって楽しくないなと。
顔色まで沈んで見えます。
「容色が衰える」という言葉がありますが、私はこの言葉を聞くたびに、小野小町の「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」 という歌を思い出します。
桜の花の色は、むなしく衰え色あせてしまった、春の長雨が降っている間に。ちょうど私の美貌が衰えたように、恋や世間のもろもろのことに思い悩んでいるうちに。(長岡京小倉山荘HPより)
美貌が衰えたといっても、私の場合は小野小町ではありませんから(笑)、過去の自分との比較ですが。
「衰えた」というのは、過去にあったもの(若さ)が「減じた」わけで、それをそのまま受け入れるか、何とかしようと努力する(あがく)か、になってきます。
多くの人は何とかしようと試みるのではないでしょうか。テレビや新聞のコマーシャルを見ても「シワ改善」とかの広告をよく目にしますから。
色の力を借りる
まぁ、化粧品やサプリメントも良いかもしれませんが、ここは「色の力」を借りるのも良い方法ではないかと思います。
みなさんはテレビで見る女性キャスターが、ピンクやオレンジなど明るい色を着ていると、一瞬、ハッとしませんか?
メロンやバナナ、イチゴなどのフルーツ類、澄んだ青空や、沖縄の海、考えるだけでも気持ちがハッピーになります。気持ちだけではありません。ピュアな色が持つ力で、顔色に明るさとツヤがもたらされます。
もちろん色みが強すぎたり、ベースカラー(イエローかブルーか)が違っていたりで、多少、違和感を感じることがあるかもしれませんが、そんなことを気にするより、使いこなすことに注力した方がよほど楽しいです。
私も次の写真のカーディガンは、パーソナルカラー的には絶対ムリ!な色ですが、臆せず着ます(笑)。
青みが強いブルべ(ブルーベース)のピンクですね。
コーディネート例:その1
確かにイエベがメインの私には顔色が悪く見えますが、それって言葉をかえれば色白に見えるということで、足りない血色はチークで補ったり、リップでバランスをとればよい話です。
そんな工夫もなく(色みがないままで)着るとこんな感じ。
若い人ならともかく、年配の女性だとどうも寂しい感じがします。
ここに先日、古着屋『西海岸』で購入したスカーフを投入すると、、、
コーディネート例:その2
一気に華やかさが増しました。
このスカーフは先程のカーディガンにもバッチリ合います。(写真、ちょっと全体的に明るめになってしまいました涙)
コーディネート例:その3
こういう組み合わせが図らずも生まれるととても嬉しいですね。
気を良くして(笑)もう一枚購入した春色スカーフも合わせてみましょう。
コーディネート例:その4
素材がシルクなので、やはりドレッシー寄りなスタイリングになりますね。靴はきれい目なレザーシューズに変えてみます。
次は同じく『西海岸』で購入したベストです。
コーディネート例:その5
ピスタチオグリーンが鮮やか。
黒のオーガンジーのストールを巻いて、ベストのダメージ加工のワイルドさを中和します。
こちらのストールも以前『西海岸』で購入したものですが、毎年いろいろなシーンで活躍してくれてます。白く見えるのはパールで、この白い点々がアクセサリーとして大変良い仕事を。
カジュアル化が進んでいる今日では、ゴージャスも良いですが、やり過ぎるとバブル感が出過ぎて、一気に古臭い感じがしてしまいます。
光り物(アクセサリー)は適度に取り入れる、がポイントかもしれません。
おしゃれ心と冒険心
静かで控えめなラグジュアリーも良いですが、それは余程おしゃれに精通した人でないと難易度は高め。モノトーンやダークな色で全体をまとめるのも素敵ですが、下手をすると地味に終わってしまいます。
昨年までの私なら、こういったクワイエット・ラグジュアリーをめざしていたかもしれませんが、今年は心境の変化で、より積極的に色を使いたいと思うようになりました。
きっかけはコストコで出会ったシニア世代の女性です。
赤いタートルネックのセーターに黒のダウンベストを羽織っておられました。スカートはグレーのロング。いやー、カッコよかったです。
赤が効いてましたね。
ちょっとした勇気をもって新しい装いを工夫してみましょう。
色はいちばん即効性があって、周囲に与える影響(印象)もあなどれません。
まずは手持ちの服を確認してみましょう。着ていなかったセーターやカーディガン、スカーフなどありませんか?きっと何点かは見つかるはず(笑)。
私もありましたよ~。
そうしたら自分なりにコーディネートを組んでみましょう。最初はコートの下とか控えめに使うのも良いでしょう。
まずは始めることです!
私たちの存在自体が、春の花壇のように明るく和やかなものになると、世の中も私たちも、心豊かで幸せな気持ちになれるのではないでしょうか。
思い切って春を、そしてファッションを楽しみましょう!