呉市立美術館は緑が多くレトロな雰囲気が魅力の美術館です。

美術館

こんにちは。大人のおしゃれ塾、田中です。

一昨日は呉市幸町にある呉市立美術館に行ってきました。

この日はあいにくの曇り空で、道すがら、満開になった桜も、背景が灰色の空では霞(かす)んで見えました。青空があってこその桜ですね。

今日は呉市立美術館について訪問の様子など記してみたいと思います。

呉市立美術館のコレクション展

じつは私は生まれも育ちも呉なので、呉に帰るとホッとします。

呉市立美術館のある入船山も、子供の頃は向かいにある「練兵場」でよく遊んでいました。通りの並木道は夏は蝉(セミ)の大合唱で、抜け殻がたくさん落ちていました。並木道は松の木だったのですよ。

呉市立美術館はレトロな雰囲気なので、戦前からあったような印象を受けますが、私が子供の頃はありませんでした。1982年(昭和57年)の建設ですから今年で築40年になるのですね。

それではいよいよ美術館に入ります!

大胆なデザインのエントランスですね。

庇(ひさし)部分がとても長いので入り口付近が暗いです。

右横にはコレクション展のポスターが掲示してありました。

呉美の新しい仲間たち―新収蔵作品を中心に―

開催期間は、3月30日(水)~4月24日(日)となっています。

『弓をひくヘラクレス』

正面玄関を入るとすぐに『弓をひくヘラクレス』像が待ち受けていました。

作者はフランスの彫刻家エミール=アントワーヌ・ブルーデル(1861~1929)。1909年の作品です。ブルーデルは『考える人』で有名なロダンの助手をしていたこともあるそうです。

クラシックな階段

美術館は地下1階から2階の3階建てで、エレベーターはなく、階段で上がり降りします。表のレンガ作りを模した外壁といい、この階段といいクラシックな雰囲気ですね。

照明も暖かみのある電球色で、館内の落ち着いた雰囲気にぴったりです。

展示作品について

呉市立美術館は、地域ゆかりの作家をはじめ、国内外の優れた作品を収集しており、写真の『麦わら帽子の少女』オーギュスト・ルノワール(1841~1919)も呉市立美術館の所蔵品で今回「特別展示」されていました。

『麦わら帽子の少女』1885年

写真は美術館の案内(リーフレット)からとったものです。展示室の作品は撮影禁止でした。

図録がないためご紹介できないのが残念ですが、今回、私が一番感動したのはジョルジュ=ルオー(1871~1958)の版画です。修復を終えた版画集『ミセレーレ』から16点が展示されていました。

一目でルオーと分かるモノトーンの人体、顔。『ミセレーレ』(1923年)は白と黒、2色の表現効果を最大限に高めたモノクローム銅版画集の最高傑作です。

それからベルナール=ビュッフェ(1928~1999)の有名な作品『チューリップとキンセンカ』『フランス革命(ル・タンブール)』があるのにも驚きました。故・斎藤芳克氏(呉市)からの寄贈だそうです。

その他にも、新しく収蔵した作品として、ポスターにもなっている洋画家・野見山暁治(1920~)の油彩画『不精な風景』2007年や…

陶芸家・富士原恒宜(1939~)の白磁器も印象的でした。(写真は今回のコレクション展のフライヤーからとりました)

富士原恒宜『白瓷捻面取壺』1980~90年代

作品数こそ53点と少ないですが、なかなか見応えのある展覧会でした。

美術館もう一つの見どころ

展示室を出ると、受け付けの人が「3階にもロビーがありますよ」と教えてくださったので、先ほどのレトロな階段を上がってみました。

すると…

パァーっと目に入ったのが木々の緑!!

ロビーにはソファーが置かれていて、彫像や外の景色を眺めることができるようになっています。

とても落ち着く空間でした。

入船山記念館とカフェ

鑑賞を終えて美術館を出たら、隣の入船山記念館に行くのもお勧めです。

入船山記念館は「旧呉鎮守府司令長官官舎」で明治38年に建設されました。平成10年には国の重要文化財に指定されています。

塔時計も有名です。

散策後には美味しいお茶や、ちょっとした昼食がいただけると嬉しいものですが、呉市立美術館の別館にはカフェ・ザ・ブリックス (cafe the bricks)というお店があります。

私は実家が近いので利用したことがないですが、ワンプレートランチやカレーなど、地元産や無農薬にこだわった野菜を使ったメニューに人気があるそうです。

入船山の歴史を感じさせる静かな佇まいの中で、ゆっくりとした時の流れを一人楽しむのも、たまには良いものですね。