広島市現代美術館サテライト展示「どこ×デザ」で気になったこと

美術館

こんにちは。大人のおしゃれ塾、田中です。

3月7日に終了した広島市現代美術館のサテライト展示「どこ×デザ」ですが、どうも納得がいかないことが一つありました。

旧日本銀行を会場とした公募作品展でしたが、入選作品8点のうち、審査員に選ばれた3作品のうち、1作品が企画書通りに「実現できなかった」のです。

その作品は、旧日本銀行の建物の外壁に、戦争を経験した「ふじたかずよ」さんという方の詩文を貼りめぐらすという企画でした。けれど「外壁に、、、」は許可が下りず、他にもいろいろ提案したそうですがそれも叶わず、その経緯をしたためたB4サイズの「説明文」が、展示入り口に置かれていました。

《詩のある風景とこれから》光岡幸一

この光岡さんという方の文章が、文筆業の方か!と思わせるほど巧みで読みごたえがありました。

でもやっぱり「実現できなかったものに特別賞を出すのはいかがなものか」と引っかかるものがあって、家に帰って調べてみました。

アリなのですね~。応募規定に「アイデアそのものの実現性は必ずしも問わない」とあります。

※公募展開催期間(2021年2月20日~3月7日)を通して展示できることを条件とする(パフォーマンスの場合は1日でも可)
※作品のジャンルにかかわらず、アイディアそのものの実現性は必ずしも問わない、ただし、そのアイディアをどのように展示するかを示す展示プランは評価の対象とする

一時期、日本のあちこちで「〇〇トリエンナーレ」「△△ビエンナーレ」など多くの国際美術展が開催されていましたが、今回の「どこ×デザ」のようなケースは、公募の場合、珍しくはないのでしょうか。。。

《Senbazuru》菊田真奈

折った折り鶴を平らに広げたものの集合体です。

折り紙には太陽光で感光する液体がコーティングされているそうです。

《広島式オーダー》寺岡波瑠

作品も素晴らしいですが、旧日銀の建物も素晴らしいですね。こういった歴史的建造物はそれ自体がアートなので、作品との相乗効果がさらに高まります。

旧日銀のエントランスです。垂れ幕、気合が入ってますね(笑)

落ち着いたゴールドカラーがシックです。建物のレトロさとよくマッチしていますね。

東京の目黒区に庭園美術館という美術館がありますが、こちらも建物自体がアートそのものです。もと朝香宮家の邸宅でした。当時のフランスは「アール・デコ」の全盛期で、その様式美に魅せられた朝香宮ご夫妻が、フランス人芸術家アンリ・ラパンに主要な部屋の設計を依頼したそうです。

ここで開催された美術展も、建物の特色、美点を最大限に活かして、大変印象深いものにしていました。

《東京都庭園美術館》

この写真は2016年12月25日のものです。まだ17時前後だったと思うのですが、東京は広島より日暮れが早いので、もう暗くなりかけてますね。

東京都庭園美術館、アール・デコ様式に圧倒されます。また行きたい美術館の一つです。