大人のおしゃれ塾、田中です。
今日ははじめて、広島県廿日市市吉和の「ウッドワン美術館」に行ってきました。
私は美術館巡りが好きなのですが、それは作品鑑賞もですが、美術館そのものにも関心があるからです。
「器(うつわ)」という点では、ファッション(衣服)も建築も共通していて、どんなふうに空間表現されているかに大変興味があります。
その中(器)にたたずむと無上の喜びを感じます笑。人体は衣服に包まれ、着衣した人体は、建築に包含される、そんな感じでしょうか。
ウッドワン美術館の内観
さすがに木材メーカーさんが建立した美術館だけに、本館は木材がふんだんに使われ、モダンでありながら重厚な、しかも温かみを漂わせた空間を作り出しています。
木材の温かみと周囲の自然とが融合した素晴らしい美術館ですね。天井が急勾配で高くせり上がり、展示スペースをさらに広く感じさせています。
休憩所の窓からは、屋外の山林が美しく、ここが標高600mの、原生林が残る自然豊かな環境にあることを思い出させてくれます。
森林・小川・澄んだ空気の中で、ウッドワンが所蔵する美術品約800点や、その時々の特別企画展を楽しむことが出来ます。
こちらは休憩スペースです。
展示空間は、照明も光源の照度や角度がよく吟味されていて落ち着いて鑑賞できます。
この本館とは別に、マイセン磁器やアール・ヌーボーのガラス作品、岸田劉生の麗子像、ゴッホやルノワールの作品も、新館に展示されています。
本館の今日の展示は、切り絵作家SouMa(ソウマ)さんの作品でした。
1枚の紙から切り出されたとは思えない、繊細かつ大胆な表現が目を楽しませてくれました。1作品のみ撮影禁止で、あとは全て撮影が許可されていました。
屋外の巨大なモニュメント
モニュメントと言っても人工的な記念碑ではなく、5万年前のスギの木「ビッグカウリ」です。
ウッドワンが所有しているニュージーランドの山林近くで発掘された埋没木だそうです。
「カウリ」とは南太平洋一体に生息する南洋スギ科「アガチス」の仲間で、大きさでは世界でも有数の樹種だそうです。
写真では、さほど大きく見えないかもしれませんが、ビックリするほど大きいのですよ~笑
高さ7.5m、巾4.3mもあります。よく日本に持って帰れましたね。
現在では「カウリの森」は4%ほどしか残っていないそうです。1900年以降、ニュージーランドに西洋の人たちが入植し、乱伐されたためだそうで、経済成長の陰にやはり自然破壊が起こっていたのですね。
おわりに
「ウッドワン美術館行き」をきっかけに、私の美術館好きな理由をお話しさせていただきました。
あと、作品をどのような視点で集め展示していくかの「キュレーション」にも大変興味があります。
ファッションも同じです。スケールこそ違いますが、どのような切り口で、どのようにスタイリングするかが要(かなめ)ですから。