こんにちは。大人のおしゃれ塾、田中です。
いやー、台風10号、事前には最大級のような報道がなされていましたが、広島は無事収束。
おかげで8月31日は、かねてより楽しみにしていた舞台「幸せになるために(広島)」を観に行くことができました。
「幸せになるために(広島)」
会場は本川町のゲバントホール。
物語は、1985年8月12日、単独機としては史上最悪の事故となった日本 航空123便の墜落事故をテーマにしています。
「忘れられゆく真実を語り継ぐ」ためにこの作品は生まれたそうですが(作・演出:森岡利行)、前半が非常にコミカルな作りだったため、これがどう繋がっていくのか?少し戸惑いながら観ていたのですが、終盤では舞台に事故現場の映像が映し出され、印象的なフィナーレへと導かれました。
この舞台は8月31日~9月1日の2日にわたって計4回上演されるのですが、メインキャストは6名、あとの15名は(一部ダブルキャストはあるものの)毎回入れ替わり総勢60名近くの出演があります。
これってすごくないですか?
ステージはフルに2時間。しかも台詞(セリフ)は早回しの超高速。よほど練習しないとこうはいきません。いつから練習したのか疑問に思い、ググってみたところ、、、
ONE VOW FILMS JAPANという広島の映像・人材育成のベンチャー企業が、今回の出演者募集のオーディションを行っている記事をエックスで見つけました。
オーディションとワークショップは2024年4月13日と14日に広島で行われており、以後、4月下旬に顔合わせ、5月上旬から稽古が始まっているようでした。全体練習は月に1回、あとはシーンごとのパート練習が12回ほど行われているようです。8月29日(木)からは集中稽古となっていました。
これを多いと考えるか少ないと考えるかはよく分かりませんが、出演者のみなさん、本当に見事に演じ切っておられました。ただ台詞が聞き取りにくいことが多く、役者としての歴が浅い方もあることを思えば仕方ないことかもしれませんが、その点はちょっと残念でした。
この公演では、クラウドファンディングも行なわれており支援総額863,000円を達成しています。目標額は300万円だったそうですが、支援者が47名もあったことを思えばまずまずの成果だったのではないでしょうか。
しかもチケットは完売!やはり出演者が集客(チケット販売)に貢献しているのは大きいと思います。オーデイションの【応募資格】には「集客に協力してくれる方」という項目がしっかり入れてあり(笑)、賢いやり方だなと感心しました。
第10回中国ブロック劇王決定戦
一夜明けて、9月1日は「第10回中国ブロック劇王決定戦」。
会場は広島市青少年センターです。
劇王というのは、上演時間15分という制約のもとで行われる演劇イベントで、観客とゲスト審査員の投票によって優勝者が決まります。
今回はAブロック、Bブロック合わせて10作品の発表がありました。
私は午後からのBブロックを観たのですが、2番目の亀尾さんの作品と5番目の雅さんの作品が好きでした。いやー、実に面白かった!
決勝戦までは体力的にもたなかったので、結果は家でエックスで知ったのですが、優勝したのは亀尾さんの『手紙かみかみ』でした。本当にシュールでコミカルで、巧みにメッセージ性も仕込まれていて、目から鱗というか素晴らしい作品でした。
それにしても、審査員って想像以上に好みが「てんでバラバラ」なのですね~。それぞれの先生(審査員3人)がどの作品に何点を付けたかがボードに記されるのですが、「へえー」というのが率直な感想です。これを個性というのでしょうか。それに対して観客からの得点(アンケート方式)は、客観性があるというか、納得できる数字が叩き出されていました。
それでもすべてを合計したら、なるほどという結果になるのですから面白いものです。
「表現すること」への情熱とパワー
私はこれまで演劇というのは3回しか観たことがないのですが、今回、多くの作品を目にする機会を得て、「表現すること」へ情熱を傾ける人が世の中にはこんなに多いのだということを実感しました。
絵を描く、詩を書く、作曲をするなど、個人でのクリエイションもありますが、人と人との繫がりのなかで「何かを創り上げていく」という分野への情熱とパワーたるやすごいものだなと。
演劇だけでなく、ダンスとか、合唱、オーケストラなどの音楽活動も同じでしょう。
例えば本を読むことにしても、これまでは「黙読」を当たり前としてきましたが、それを声に出して読んでみると、何か新しい発見というか、今までとは違った生命(いのち)が文章に宿ってくるように思えてきました。
演劇にはそういう面白さがあるのかもしれませんね。