こんにちは。大人のおしゃれ塾、田中です。
9月22日にイオンモール広島府中にオープンした【ワークマン女子】に行ってみました。
【ワークマンシューズ】も併設されていました。
素材の性能や機能面での配慮が感じられた【ワークマン女子】
オープンしてまだ1か月だからでしょうか、平日でも多くのお客様がみえていました。
お客様の構成は、小さなお子さんを連れたご夫婦とか、20~30代の主婦、50~60代のお母さんとその娘(30代)といった感じでした。これが夕方以降や休日だとまた客層が変わってくるのかもしれません。
通路が狭いので賑わっている印象がありましたが、レジに混雑はなく、来客数の割にはお買い上げ客は多くなかったのかもしれません。
店内はカラフルでした。
売り場が狭いので、UNIQLOのように一型を色別に積み上げるような陳列はされていません。
商品にはリサイクル素材を使ったことを示すWORKMAN eco(ワークマンエコ)や、撥水、防水、防風などの表示が付いているものが多かったです。
なんとロング丈のプリーツスカートにはポケッタブル(小さく収納できる)であるとの打ち出しが。。。普通、ロング丈のスカートを小さく収納しようとは思いませんがね(笑)
その他にもパーカーに収納袋が付いていたり、やはりワークマンとしては機能性を打ち出したいのでしょう。
次の写真はポリエステル100%のセーターですが、なんとそのポリエステル糸は帝人のソロテックス®!
SOLOTEX(ソロテックス)というのは、帝人フロンティア株式会社が開発した素材で、伸縮性や柔軟性、シワになりにくさを特長としています。
昨年ワークマンから発売されたプレミアムスーツジャケットは、ストレッチ性も高く、ウォッシャブルで手入れも簡単ということで大変話題になりました。
パンツもあってセットアップで着用できます。こんなセットアップが、ジャケット¥3,900、パンツ¥2,900で買えるのですから驚きです。(ワークマンは税込表示)
ストレッチ素材の普及は、身体に合いにくいというパーソナルな問題を最適化させることにつながりました。
今では高級なオーダーメイドのスーツを着た方にお会いすることは、めったにありません。
今から30年近く前になりますが、福屋百貨店のロエベ(LOEWE)で、ダークスーツの男性の店員さん(管理職?)がおられ、その方のスーツの仕立ての良さと革靴の上質さに見惚れたことがあります。
ゼニアとかロロ・ピアーナとかの生地でしょうか、その光沢感としなやかさには圧倒されました。
その紳士は中肉中背で、家でならたぶん「フツーのお父さん」だと思うのですが、仕立ての良いスーツを着ると、こうまで「男っぷり」を上げてくれるものかと紳士服の威力に感動しました。
そんな時代はもう来ないのかもしれません。
【ワークマン女子】のコンセプトとターゲット
さてみなさん、こちらの写真をご覧ください。
これは先週の金曜日に入っていた新聞の折り込みチラシです。
左がワークマン、右がユニクロ。ぱっと見、似ていませんか?価格はワークマンの方がずいぶん安いですけど。
もともとワークマンは「プロ向け」の作業ウェアの専門店ですが、そのワークマンから「一般向け」の高機能ウェアをメインに扱う【WORKMAN Plus+(ワークマンプラス)】がまれました。
その流れで【ワークマン女子】や【ワークマンカラーズ】が誕生したそうです。
なんでも【ワークマン女子】は郊外型で【ワークマンカラーズ】は都心型という違いがありますが、まだ歴史が浅いですし、ユニクロやGU、しまむらなどの強豪とどこまで戦っていけるのかは未知数です。
【ワークマン女子】のコンセプトは、「カコクな365にちじょう日を、ステキに変える。」
雨の通勤通学、家でも意外と気になる紫外線、両手がふさがる子どもの抱っこ、水作業や庭での泥汚れ・・・女性の365日は忙しく、あらゆるストレスにあふれています。日常のストレスから女性たちを解放し、生活の可能性を広げたい。
というのですね。
これまで職人の過酷な環境を支えてきたワークマンの機能をもって、女性を日常のストレスから解放し、365日、寄り添って応援していきたい。ということでしょう。
感動的なメッセージですね。
ただ、ユニクロと比べると商品のチープさは否めませんし、アウトドア感の強いデザインは着る人を選ぶと思います。
やはり小さなお子さんを抱えるお母さんや、キャンプやアウトドアを手軽に楽しみたい方、作業系のお仕事をされている方が中心になるのではないでしょうか。
【ワークマン女子】の誕生は、昔「山ガール」というのが流行ったように(2010年頃~)コロナ禍でアウトドア熱が高まったことも一因しているような気がします。
ブームにあやかってワークマンも「この分野で新たな販路を!」と思ったかもしれません。実際【ワークマン女子】は好調ですし、急成長しているともいわれています。
けれどワークマンの既存店は客数が減少しているらしく、繊維業界ライターの南充浩氏は2023年10月5日のブログで次のように述べています。
ワークマンに急成長をもたらした「一般向けカジュアル化」は、職人客の忌避と既存店客数の減少というデメリットが顕在化しつつある。この傾向はすでに数年前から職人客に近い筋からは声として挙げられていた。(中略)
だが「一般向けカジュアル化」に大きく舵を切ってしまったワークマンにとってはこちらの職人客の要望に対応することも難しい。なぜなら、一般向けカジュアル化によって急成長しており、こちらはこちらでおざなりな対応をするわけにもいかない。
結局、現在のところ「二兎を追う者は一兎をも得ず」というどっちつかずの状態になる危険性が非常に高まりつつあるといえる。
ワーキング作業服というのは、基本的に需要総量がほぼ決まっているそうで、ワークマンとしても衣料品企業として拡大を目指すのであればトレンドカジュアルファッションに取り組まざるを得なかったのでしょう。
それにしてもトレンドカジュアルを志向するにはユニクロは強敵過ぎますし、ワークマンが女子に支持されたのは、プロ向けのある種の無骨さ(職人さんの)に魅力を感じたからではないでしょうか。
そういったアイテムを自分なりにファッションに落とし込むことに意味があったのではないかと私は思うのです。
妙にトレンドに寄せず、機能性やギミック(仕掛け)を武器として、サイズ展開に女性らしさを打ち出す、それが成功への道筋なのでは。
さらに言えばオンラインでの欠品が多すぎます。
などと、外野はあーでもないこーでもないと気楽なことを言いますね(笑)
最後にカラバリ(カラーバリエーション)も楽しいソックスのご紹介です。
上段の陳列商品は「メリノウール」となっています。写真を見て今、気付きました。
つま先とかかとはパイルだそうです。(¥580)
買っておけばよかったなぁ。
2段目のルームソックスもウォーム感があって滑り止めも付いていて良かったです。¥780ですから格安というわけではありませんが、こういった実用性がワークマンならではと思いました。
安かろう悪かろうでは、雑誌の付録レベルになってしまいますからね。