こんにちは。大人のおしゃれ塾、田中です。
以前のブログに『ジゼル』の1・2月合併号を見て年間購読を見送った話を書きましたが、、、
あれから2か月、1月28日に発行された3月号を見て、、、
面白いではないですか(驚)
12月号を購入した時も思いましたが、3月号はその上を行っているような、、、
明らかに今は勢いをなくしている他のファッション雑誌とは一線を画しています。
今日はそんな主婦の友社発行『ジゼル』について書いてみたいと思います。
『ジゼルGISELe』が創刊された時代とコンセプト
『ジゼル』が主婦の友社から発行されたのは2005年(平成17年)10月28日。
当時は「ちょいモテ、ちょいワル」とか「アキバ系(電車男)」「萌ブーム」「ヒルズ族・ホリエモンブーム」「想定の範囲内・外」が流行語になったりしました。
「自分の感覚に自信を持ち、好きなことをしたいために自由な生き方を求めるニュージェネレーションのための雑誌」とされ、編集長の影山和美は「カジュアルを好む、自分らしさを大事にする人への雑誌」「高い物も良かったら買う、安い物も可愛かったら買うというように、自分の目で判断する人たちへの雑誌」と解説している[1]。
とありますが、引用元をググっても「お探しのコンテンツを見つけられませんでした。」との記載が出てきました。
一読しただけでは、ターゲットがどんな人たちなのか、影山さんへのインタビューを部分的に記事にしたのだと思いますが、分かったような分からないような(笑)もどかしい文章です。
むしろこちらの方がスッキリするのでは。
(雑誌掲載レディースファッションOSHARE LADIES’より)
http://ladies.oshare-fashion.com/gl-gisele.htm
読者層は20代後半から30代で、メインターゲットは首都圏に住む30歳前後のオシャレ偏差値の高い女性。(中略)
ファッションは都会的な大人のシンプルカジュアル。キメすぎないモードっぽさ、品のある女らしさ、キメすぎず抜けのあるスタイリング、そして今年らしさもさりげなく盛り込んだセレブカジュアルのような、ちょうどいいさじ加減のシンプルスタイルを提案します。
お洒落偏差値が高い人向けの雑誌なのですね。確かに業界人の読者も多いそうです。
また誌面や表紙カバーのモデルはすべて外国人を起用しており、私のようなメインターゲットから大きく外れた年齢層でもこの雑誌を購入するという現象が起こっています。
長く読み続けている読者が多いというのも頷ける気がします。
誌面や表紙カバーのモデルにはすべて外国人を起用。そこもこの雑誌が長続きできている大きな理由のひとつではないでしょうか。
ステロタイプ化されたファッション雑誌、ファッション誌でなくなったファッション雑誌
前述の私のブログにも書きましたが、日本人モデルのファッション雑誌だとターゲットの類型化がダイレクトで、隙間がないのですね。
例えば宝島社『インレッドInRed』であれば、メインターゲットは35歳の女性で、表紙も誌面も若々しくて美しい35歳を象徴するモデルが起用されています。
雑誌に登場するモデルは雑誌の「顔」でありイメージキャラクター。ステロタイプ化(定型化)されているのですね。
ところが『ジゼル』ではモデルが全員欧米の外国人で、類型化してとらえにくい特徴があります。そこが外国人モデルの長所ではないでしょうか。
彼女たちは日本人の私たちから見て、ヘアスタイルも個性的で、生活感がないというか年齢不詳というか「ファッションは人それぞれ」といった感じがします。
一方で、軸をファッションから別分野に移している〈移さざるをえない?)雑誌もあります。
どちらとも3月号ですが、、、
集英社『SUPUR(シュプール)』は【世にもおしゃれな噂話】として、次世代韓国スターといわれるグループNewJeansの記事がメインとなっています。
マガジンハウス『GINZA(ギンザ)』は【クリエイターが住むお部屋】として、デザイナー、スタイリストなど31人の私的空間が紹介されています。
両誌とも高感度なファッション誌として認知されていたと思うのですが、もちろんファッション記事もあるにはあるのですが、その割合が激減していて驚きました。
『ジゼル』はその点、ファッション誌のファッション誌たる使命を守り通せているのではないでしょうか。
メインタイトルが【色を着がえる】ですからね。
『ジゼル』のスタイリスト的視点とキャプションの巧みさ
いやー、毎晩3~4ページずつ、じっくりスタイリングを見ては説明文(キャプション)を読んでいるのですが、字、小さいです(涙)でも文章、上手いです(笑)
本当にスタイリングが十分わかったうえで上質な文章で表現できているわけですからスゴイです。
例えば、、、
鮮やかな花ほど朽ちたあとも美しい。退色したようなピンクとパンパスグラスみたいなベージュを束ねたドライな配色には、単純な装いを情緒的に映す力がある。(p.016)
読んでいて一瞬「パンパスグラスって何だろう?」と思ったりしますが〈答え:ススキに似た白い多年草植物)「単純な装いを情緒的に映す力」って格調高い表現ですよね。
格調の高さだけではありません。なるほどと思わせる説得力もあります。
ダークカラーなのに軽さが出せる「ネイビー的ブルー」
慣れ親しんだ濃紺より明るく、ブルーと比べると落ち着きのある上品な華やかさ。暗色と明色を行き来できることで、締め役だけでなく抜け感としても活躍。(p.080)
ライターさん、スゴイです!
どのページをとってもこのレベルでこの目次数。
1・2月合併号は酷評しましたが、3月号から年間購読することにしました。
書店が激減している昨今、毎月1冊でも近所の書店(廣文館)で購入してあげたい気持ちはありましたが、雑誌のオンライン書店fujisan.co.jpの定期購読割引の魅力には負けました。
1、2号連続で50%OFF、3号目以降も15%OFFですからね。15%OFFだけでも私は負けてしまうでしょう。
これから毎月、自宅に届くのが楽しみです。
色の合わせ方とか、着こなし方とか、ハッとする瞬間があるのはとても楽しい!
ファストファッション中心の生活ですが、だからこそ厳選したアイテムを自分なりに着こなしていきたい!
『ジゼル』がそんな私のモチベーションを高めてくれる存在であってくれたら嬉しいです。
追記:『ジゼル』のその後についてはこちらの記事です。