大人のおしゃれ塾、田中です。
11月頃から作り始めていたコートが、1月にようやく完成しました。
あれからけっこう暖かい日が続いていて、1回着たきりで今年はもう出番がないかと思っていました。
ところが今朝のこの寒さです。早速着用して塾に行きました。
写真では明るめに見えていますが、実際はもう少し深い紺色で、少し紫みを帯びています。シングル1つボタンでテーラードのデザインにしました。
正面は、フラップ(天蓋)付きのパッチポケットをアクセントにしています。
後面は、間延びして見えないよう飾りベルトを付けました。コートは特にバックスタイルも大事ですからね。
素材はとても重量感のある厚手のリングウールです。
縦にも横方向にもストレッチがきいていて、特に縦方向の伸びには手を焼きました。袖付けの位置も、仮縫い段階で肩先から5㎝入れたくらいです。
着丈も型紙より10㎝は長くなっています。はじめは裏地を付けるつもりでしたが、表と裏の伸縮差が大きすぎるので取りやめました。
生地の厚みも結構あるので、玉縁ボタンホールはあきらめ、手かがりで仕上げました。
ボタンホールは大学時代、被服構成学の授業で、50個だったか40個だったかが、夏休みの課題で出たのを覚えています。
ボタンは1960年代のアンティークです。いつか使おうとずっと大切にしまってました。あともう1個あるのですよ♪
仕立て屋さんへの敬意
退職してから時間が自由に使えるようになり、このところ暇さえあれば服を作っています。
このコートもそうですが、じつは生地は「いただきもの」です。昔、婦人服のお誂え(オーダーメード)をされていた方のご家族から譲り受けました。
まだブログではご紹介していませんが、すでに10着近く、いただいた生地から作っています。
その過程でつくづく思ったのは、こんな難しい生地を相手に「プロは仕立ててこられた」のだという事実です。
半端ない技術力が求められる生地ばかりです。「縫えません」とか「ちょっと難しいです」とか、絶対おっしゃらなかっただろうと思いました。
仕立ての世界では、このレベルの生地が普通だったのかもしれません。なぜなら、いただいた生地の全部が裁断も縫製も一筋縄でいかないですから(涙)
生地からデザインを考え、その方にふさわしい1着に仕立て上げる、オリジナリティあふれるクリエイティブな世界がそこにはあったのですね。感動します。