世界に一つだけの花、価値の多様性への理解

ファッション

大人のおしゃれ塾、田中です。

SMAPの大ヒット曲「世界に一つだけの花」
私たちの存在は「特別なonly one」で「一つ一つ違う種を持つ」と歌っています。

とても共感できる歌詞ですね。「本当にそうだ」と思う人は多いでしょう。

けれど「一人一人の価値を認める」というのは、口で言うほど簡単ではありません。

私の経験から話をさせてくださいね。

私は大学院が「服飾文化」専攻だったので、ファッションの歴史を教える機会が多くありました。

「ファッションの歴史」というのは、民俗学や社会学の立場から考えることもできますが、「美学」の立場からとらえようとする場合、王侯貴族やブルジョアジーなど、当時の特権階級のファッションを追うようになります。

特権階級というのは、とことん、ファッションに入れ込みます。その結果、現代人から見たら「ええっ!」と驚くようなスタイルを生み出すわけです。

そこで、学生たちの反応です。感想文に「私はあんな格好はしたくない」「変だと思う」と書いてきます。

それは、現代人から見た感想であり、当時の人はそうは思っていなかったわけです。

流行とは、渦中にあっては最高にイケてる(死語と言われてもこの言葉がピッタリ笑)ものなのです。

そう学生に話し、その視点で授業を続けるうちに、「変な服だ」「着る気がしない」といったコメントがなくなってきます。

「当時の理想がこのスタイルだったのですね」に変化してきます。

このような理解に至るまでは、やはりある程度、訓練がいると私は感じています。

「一人一人の価値を認める」ことはそう簡単ではありません。