大人のおしゃれ塾、田中です。
みなさんは人から「おしゃれですね」とほめられたことはありますか?「きれい」とか「ステキ」でもいいです。
先週、フラのレッスンの時、先生やレッスン仲間とそんな話になりました。
フラというのは通称「フラダンス」のことです。フラとはダンスの意味なので、フラダンスと言ってしまうと「ダンスダンス」になってしまい変なのですよ。それよりも「私がフラ」の方に驚かれたかもしれませんね笑。
スミマセン、話をもとに戻して、その時みんなと話したのは「人は意外とほめない」ということでした。もう一つ「目立つものには反応がある」ということも話に出ました。
アイキャッチなものへの反応
それは私も経験しています。
次の写真をご覧ください。カエルのブローチです(私物)。幅は6㎝、高さも最大2.5㎝ありますから、小さいものではありません。しかも光る石ぎっしりです。
このブローチをつけていたら必ず学生の誰かに「先生のブローチ、カエル!」とか言われます。「かわいい」とまでは言われませんが、話題にのぼるのですね、こういうアイキャッチなアイテムは。
知人が先日、アップルウォッチを着用していていました。
動く時計画面に目をひかれ、思わず「いいね~」というと、そう言われるのは「私が9人目」だそうです。
アイキャッチなアイテムは会話の糸口になりやすく、反応を返しやすいのだと思います。アピールポイントが分かりやすいこともあるかもしれません。
次の写真は紫色のパンプスです。なかなか目を引く色ですね。
こういう派手なアイテムを着用している人に、偶然バッタリ出くわした時、人はとっさに「おしゃれですね~」とか口走ったりしませんか?
驚いた自分を何とかしたいし、相手への配慮もあります。そのアイテムが似合ってる似合ってないは別の話で、着用者の勇気?に対して「おしゃれですね~」が口から出てしまうケースです。
そういう意味では、ほめられないということは、逆に、悪目立ちしていないということでもあります。
着こなしができている場合
ユニクロは自社の製品を「部品としての服」と言い切っています。
この考え方は西洋人の伝統的な着こなしに通じるものがあります。
日本の服飾デザイナー、水野正夫(1928年- 2014年)は『着るということ』で次のように述べています。(藍書房p.173)
着たり、つけたり、持ったりして、そのものが妙に目立ったら、やめたほうがいい。われわれ日本人の習性か、目立つことを引き立てる、引き立つと混同しがちなのは、自分自身がよいほうに変身したと考えるせいだろうか。・・・中略・・・頭の先から足の先まで、着た人とその人間らしさをそっと邪魔しないのが、洋装だと思えばいい。
このように、自分らしさを損なわない「着こなし」を完成させるためには、最小限の服を持ち、それを最大限に活用する、というのが、洋装の基本だと説明がなされています。
決して奇をてらった格好はしません。
『フランス人は10着しか服を持たない』(ジェニファー・L・スコット著)は、2014年にベストセラーとなり、現在でもKindle版やコミック版で読まれていますが、10着という数の少なさに、多くの日本人は驚いたことでしょう。
彼らのような着こなしは「シック」という言葉があてはまります。「シック」は微妙なニュアンスですから、ほめようと言い淀んでいるうちに「セクハラだ~」になってもいけません笑。
余程ほめ慣れている人にしか「シック!」は言えないのではないでしょうか。そういう意味での「おしゃれですね~(本当におしゃれ)」も同様です。
ですから、おしゃれだと言われないからといって悲観することはありません。むしろ「着こなし」ができているとも考えられるからです。
おわりに
シックな着こなしは、人からほめられなくても、自分自身が心地よいです。周囲も安心して「その人となり」を受けとめていることでしょう。素敵だと内心思っているかもしれません。
時にはちょっとしたアクセントカラーやアイテムを楽しむこともお勧めです。
無理やり「おしゃれですね~」を言わせるような取り入れ方ではなく、さりげなく!
周囲を明るく、自分までハッピーな気持ちになりますよ。